2025年10月14日
🦷 歯周病菌とアルツハイマー病の意外な関係
「歯ぐきの病気が、まさか脳まで関係しているなんて…!」そう思われる方も多いかもしれません。
でも実は近年、歯周病菌(とくに Porphyromonas gingivalis=Pg菌)とアルツハイマー病との関係が、世界中で注目を集めているのです。
🧠 歯周病菌、脳へ“お出かけ”!?
歯ぐきの炎症が進むと、Pg菌やその毒素(ジンジパイン)が血流に入り込み、なんと脳のバリアを突破してしまうことがあると報告されています。
動物実験では、Pg菌が実際に脳の中に“居座る”様子も確認されています。
🧩 ジンジパインという悪役
Pg菌が作り出す酵素「ジンジパイン」は、まるでハサミのように神経細胞を傷つけてしまいます。
その結果、脳内で情報をやり取りする“シナプス”の働きが弱まり、記憶力や判断力に影響を与えると考えられています。
🔥 アミロイドβは脳の“防衛隊”…でも?
Pg菌が侵入すると、脳が「敵襲だ!」と炎症反応を起こします。そのとき作られるのが“アミロイドβ”。
実はこれ、細菌から脳を守るための抗菌物質でもあるのですが、作りすぎると逆に脳の中にたまり、神経を傷つけてしまいます。
善意の防衛反応が、いつの間にかアルツハイマー病の引き金になっているかもしれないのです。
🧬 タウタンパク質の変化
さらに、Pg菌や慢性的な炎症が続くと、脳内の「タウタンパク質」にも異常が起こります。
この変化が、アルツハイマー病の進行に深く関係していることがわかってきました。
🧾 実際の研究では…
・アルツハイマー患者の脳からPg菌のDNAやジンジパインが検出された(2019年・Science Advances)
・歯周病がある人ほどアルツハイマー病の発症リスクが高いという報告が複数存在
・歯周病の治療が、認知症の予防につながるかもしれないという希望も見えてきています
💡 まとめると…
歯周病菌(Pg菌)は、
→ 血流に入り、脳へ侵入
→ 炎症や毒素によって神経を傷つけ
→ アミロイドβやタウタンパク質の異常を引き起こす
その結果、アルツハイマー病の発症や進行に関わっていると考えられています。
🪥「歯を守ることは、脳を守ること。」
日々の歯みがきと歯科でのメンテナンスが、未来のあなたの“記憶”を守る第一歩になるかもしれません。