脱灰と再石灰化について

 

 私達は毎日食事や間食をするたびに歯の表面が酸(主に乳酸)に溶かさ
れています。この現象を脱灰と言います。そして次の食事や間食までの間
に急きょ再石灰化と言う作業が行われ、脱灰された歯が修復されています。
このように歯の表面では絶えず酸による微少な破壊(脱灰)と修復(再石
灰化)の相反する現象が起きているのです。この脱灰と再石灰化現象は、
歯の表面(エナメル質・象牙質・セメント質)のどの部位でも見られます。
しかし、この脱灰と再石灰化のバランスが崩れて脱灰(すなわち歯を溶か
す)のスピードが再石灰化(歯を修復)するスピードを上回ったときには
酸蝕症や虫歯となってしまいます。逆に再石灰化(修復)が脱灰(破壊)
を上回ったときには、丈夫な歯の結晶構造に変わり、酸蝕症や虫歯に対
して強い抵抗力持つようになります。

 

 

    

 

 

 ところで再石灰化に必要なCaやPはどこから供給されるのでしょうか?
一番の供給源は「唾液」です。(我々は唾液を液体エナメルと呼んでいる)
 再石灰化をするためには歯の主要な構成成分であるCaとPが必要です。
健全な唾液中にはこのCaとPが多く含まれており、再石灰化のための供給
源となっているのです。
 しかし、とかく唾液中のCaとPは不足気味となり、再石灰化が十分行わ
れないことがあります。なにか別の方法でCaとPを供給することを考えな
ければなりません。そこで注目されているのがリカルデントガムです。
牛乳由来成分CPP-ACPが配合されており、エナメル質構成成分であるCa
とPを多く含んでいます。 このガムからCaやPの供給を受けることは歯
の再石灰化のためには効果的なものとなっているようです。
 最後に忘れてはならないことがあります。それは再石灰化をより促進さ
せるためには、常に唾液中に低濃度フッ素の存在が必要であることです。
歯科医院で虫歯予防にフッ素を用いたり、すすめたりする理由が、まさに
ここにあるのです。フッ素は再石灰化を促進したり、歯表面にフッ素バリ
アをつくって酸に対する抵抗性を増強し、脱灰を抑制する最も重要な物質
なのです。

   
ですから、いつも唾液中フッ素濃度を維持しましょう!
   そのためには歯科医院で定期的なフッ素の塗布を行いましょう!
   ご家庭では、フッ素配合歯磨剤やフッ素ジェルの使用、フッ素に
   よるブクブクうがいを行いましょう!