「歯軋り」は「くいしばり」とは違って、睡眠中にキリキリ・
ギシギシと鳥肌がたってしまうような軋り音を発するものを言います。
職場旅行先や寮生活などで同室の他人様の歯軋りがうるさくて眠れな
かったことを経験したことがあるのではと思います。
正常な人でも睡眠中に多少の歯ぎしりをすることがあるようです。
約15分程度ならば異常とは言えませんが、40分以上もキリキリする
合は”歯軋り症”と診断してよいと思われます。
歯軋りは歯の摩耗・破折・動揺、知覚過敏などの原因となったり、
さらには歯周病の悪化や顎関節部の痛み、咀嚼筋の疲れによる開口
害や痛みの原因になりますので、長時間の強い歯軋りには注意が必要
です。
・一番の原因はストレスと言われています。憂鬱や不安など、
心理的なものが多く、「歯軋り」や「くいしばり」をする
ことによってストレスを発散(解消)させていると考えら
れています。
・次に痛みがある歯が存在する場合。(こんな場合、歯軋り
をする習性や本能があると言われています。)
・高さが不適合な金属冠、硬過ぎる金属冠、歯の抜きっぱな
しなどによる噛み合わせの狂いが生じた場合など。
・ギシギシ音の防止、歯の摩耗防止のため装置(ナイトガード)を
用いる方法。(対症療法)
・不調和なかみ合わせをしている歯牙を削合(咬合調整)すること
で歯の動揺を防止する方法。(対症療法)
* 医科の治療で、原因(ストレス等)を除去する事ができて一時
的にブラキシズムの改善をみる事もありますが、予後は難しい
ようです。
一般的に、「歯ぎしり」は睡眠時に無意識に起こる悪習癖であり、本人が意識して治すことができず、
完全な治癒は困難です。従って、残念ながら歯科では上記の対症療法を行うのが一般的です。