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インプラント(人工歯根) |
歯を喪失した時、人工の歯根を骨内に植え込み、欠損を補い、正しい咬み合わ せを再建する治療である。歯を抜くとその後にBrや取り外しの義歯をするのが もっぱらの治療です。しかし、Brでは前後の歯を削り犠牲にしてしまいます。 義歯では咬みづらい、違和感がある、使いごこちが悪い、取り外しのわずら わしさ、臭い、かっこわるいと色々問題があります。しかも欠損部の骨量が減少 して、骨の幅(厚み)、高さどがなくなっていきます。再度つくるBrや義歯 の適合・安定が、この吸収で益々困難なものとなってきます。 しかし、インプラントであればBrのように隣の歯を削って犠牲にすること が少なく、また、義歯のような数々の不都合も非常に少ないのです。単独で欠損 部のみに植え込んで歯をつくることができます。 現在、行なわれているねじ込みタイプのインプラントは30年数年の歴史がありま す。成功率も非常に高くなっています。下顎の治療で99%、上顎で93%の成功率 を保っています。ただし、行う前には十分な診査が必要です。インプラントに適 さない方もおられるためです。まず、植え込む部位のあご骨や歯肉の状態ですが 十分な量がないと堅固な安定したインプラントを完成することはできません。 また、口腔内の清掃がきちんとされていないとインプラントは長く持ちません。 インプラントは歯槽膿漏に弱いのです。ですから、日々の手入れや食生活に注 意できる方しかおすすめできないのです。次に全身疾患のある方、特に糖尿病、 腎臓、骨の病気のある方は要注意です。 |
インプラントの材料 |
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インプラントに過剰な期待は禁物ですが、超硬いものをバリバリ咬んだり、 ビール瓶などインプラントで抜いたりして無理せず、よく磨いて手入れし、 全身健康に注意していれば結構使えるものです。スウエーデンは、15年間で 約3000本のインプラントを行った結果、下顎で99%、上顎で93%の成功率 との報告があります。 我々は10年は十分に使用できるようにと治療を行っています。また、今 現在使っておられるBrや義歯で、ちゃんと咬み合わせが再建されており、 不自由を感じてなければ、あえてインプラントをおすすめしません。 インプラントの発祥の地ヨーロッパでは、食事に硬いパンを食べる民族です。 丈夫な歯しかパンは咬み切れません。義歯で咬み切るのは難しいのです。 人前でスープにパンをつけて柔らかくして食べることは屈辱だそうです。それ でインプラントをする人が多いのです。日本のように、ご飯、ハンバーグ、魚 肉と柔らかい食物が多い国ではインプラントは必ずしも必要ないのです。 しかし、義歯補綴による咬み合わせの崩壊や、欠損部の骨が吸収されやせて いくのを我々歯科医師はじっと指をくわえて見過ごすことはできません。 |
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インプラントによる治療を写真でご紹介します。 ![]()
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右下大臼歯部の欠損例
インプラント完了時
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インプラント術前の欠損部
植立後のレントゲン
インプラント術後
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インプラント骨内植立状態
上部の補綴完了時
噛み合わせの面からネジで
固定する方法